2009年3月15日日曜日

ポジション別分析:外野手


いつの日にかこのポジションの最上層はUpton達によって占有されることとなるだろう。だが今はまだその時ではない。現状の最上層には6人の選手が位置しており、一般的なドラフトではそのいずれもがドラフト2巡目が終わるまでに指名されることとなる。4巡目が終わる頃にはさらに11人の外野手がいなくなっていることだろう。このポジションには優秀な選手が多数いる。

層が本当に厚いので、最初の数巡では外野手の指名は完全に見送って、外野手を早く指名する者たちをあざ笑うというプレイヤーも多くいる。このポジションにおいては、どこを取っても質の急落というポイントはない。ただ階層と階層の間にゆっくりとした質の低下があるだけだ。また、外野手は未所属選手の山の中からシーズン中に突如有用な選手が現れるというのも毎年のことだ。もしも第3階層の外野手まで待とうと決断したとしても、その決断によってリーグ優勝を逃すといったことにはならないだろう。中位の階層にもパワーとスピードを兼ね備えた選手が揃っている。昨年20本塁打と20盗塁を記録したメジャーリーガーは9人おり、その内の7人が外野手だった。Matt Kemp(18本/35盗塁)、Johnny Damon(17本/29盗塁)とTorii Hunter(21本/19盗塁)はあともう少しで達成するところだった、というのも付け加えておく。

それでも、一般的に最初の数巡で指名されていく外野手達は、30本塁打/30盗塁や40/20あるいは20/40を達成できるファンタジーにおいて特別な価値を持った選手たちであり、ADPに十分に値する。ファンタジー・ベースボールというゲームは究極的に言えば、数値の積み重ねで最高の組み合わせを見つけることを目的としており、ポジションごとの争いでは勝利しても最終的な結果では負けるという状況は普通に起こりうる。(これは過去のシーズンにCraig Falzoneが他のことを証明しようとする過程で自ら実証してきた。) もしも一流の遊撃手や三塁手を獲得する望みがない後半のドラフト指名順位となってしまったのならば、ポジションごとにエリート・プレイヤーを集めていくという戦略を取れる立場にすらいなくなる。そこで最上位の階層の外野手達を指名せずに見過ごして、すでにHanley RamirezやDavid Wrightを獲得しているチームのために残しておくなんてことはしてはいけない。

中盤以降においても、このポジションはどんな好みにも応えてくれるだけの層がある。1カテゴリー特化のプレイヤーが欲しければAdam Dunn(ADP 73.2)やWilly Taveras(182.3)がいるし、信頼できるベテラン選手が欲しいのならRaul Ibanez(125.0)やPat Burrell(168.5)を狙えばいい。もしも成長の可能性を秘めた若手選手だけを指名しようとするのならば(12人のMixedリーグにおいてはこの方針に基いてドラフトをしてもほとんど被害はない)、Jay Bruce(97.7)やJustin Upton(173.0)を獲れば良い。

Justinはここで話題に上げておく価値がある。彼は総合上位5位・過小評価5位・過大評価5位のいずれのカテゴリーにも当てはまらない選手だし、もうプロスペクト選手でもないからだ。今季はSTでここまで15打数6安打1盗塁と素晴らしいスタートを切っており、昨年若干20歳にして417打席を問題なくやり終えて見せた。(15本塁打/打率.250/出塁率.353/長打率.463) もし彼が昨季タクソン・サイドワインダーズの一員としてプレイしていたならば、彼は3Aで最年少の選手となっていたことになる。これは重大なことである。Uptonはこれから有力プロスペクトとして僕らが挙げる中のTravis Sniderを除く全ての選手より年齢が下なのだ。もう何度も何度も見ている名前だからといって、彼を見過ごすような真似はしない方がいい。Uptonのブランドネームは強大で、成長の可能性は山ほど残されている。

★★★★★
Grady Sizemore
Ryan Braun
Josh Hamilton
B.J. Upton
Carlos Beltran
Alfonso Soriano

★★★★☆
Manny Ramirez
Carlos Quentin
Carlos Lee
Carl Crawford
Ichiro
Jason Bay
Nick Markakis
Vladimir Guerrero
Curtis Granderson
Matt Kemp
Matt Holliday
Jacoby Ellsbury
Alex Rios

★★★☆☆
Bobby Abreu
Corey Hart
Nate McLouth
Shane Victorino
Alexei Ramirez
Torii Hunter
Hunter Pence
Magglio Ordonez
Adam Dunn
Jay Bruce
Ryan Ludwick
Jermaine Dye
Nelson Cruz
Raul Ibanez
Lastings Milledge
Johnny Damon

★★☆☆☆
Brad Hawpe
Milton Bradley
Andre Ethier
Vernon Wells
Chris Young
Jayson Werth
Conor Jackson
Pat Burrell
Justin Upton
Xavier Nady
Denard Span
Rick Ankiel
Hideki Matsui
Elijah Dukes
Cameron Maybin
Adam Jones
Delmon Young
Randy Winn
Coco Crisp

★☆☆☆☆
Mark DeRosa
Shin-Soo Choo
Michael Cuddyer
Aaron Rowand
Adam Lind
Fred Lewis
J.D. Drew
Willy Taveras
Jeff Francoeur
Mike Cameron
Luke Scott
Travis Snider
Carlos Gomez
Jack Cust
Nick Swisher
Jose Guillen
Jeremy Hermida
Gary Sheffield
Jason Kubel
Ty Wigginton
Ben Francisco
Ryan Church
David DeJesus
Michael Bourn
Felipe Lopez
Kendry Morales
Brian Giles
Colby Rasmus
Juan Rivera
Eric Byrnes
Ken Griffey Jr.
Skip Schumaker

☆☆☆☆☆
Chris Dickerson
Garret Anderson
Melky Cabrera
Juan Pierre
Dexter Fowler
Franklin Gutierrez
Travis Buck
Kosuke Fukudome
Daniel Murphy
Marlon Byrd
David Murphy
Austin Kearns
Andruw Jones
Ryan Spilborghs
Josh Willingham
Chase Headley
Jody Gerut
Cody Ross
Nyjer Morgan
Matt Joyce
Andrew McCutchen
Mark Teahen
Chris Duncan
Josh Anderson
Nate Schierholtz
Gary Matthews Jr.
Scott Hairston
Jerry Owens
Ryan Sweeney
Steven Pearce
Willie Harris

[外野手:総合上位5選手]

Brandon Funston
1.Grady Sizemore
また打率.290を打った時の打撃を取り戻せばファンタジーにおける完璧な選手になる。
2.Ryan Braun
彼の爆発的な長打力はすでにファンタジーの世界において伝説化している。
3.Josh Hamilton
天賦の才能。
4.Alfonso Soriano
もう40本塁打/40盗塁を記録できる選手ではないが、少なくとも30本塁打/20本塁打のシーズンはまだ記録できる。
5.B.J. Upton
スピードは全く減退の兆しを見せず、パワーはプレイオフにおいて戻ってきた。(16試合で7本塁打)

Andy Behrens
1.Ryan Braun
25歳にしてすでに30本塁打以上のシーズンを2度記録している。キャリア通産打率は.301。
2.Grady Sizemore
4年連続で20本塁打/20盗塁を記録。得点数でも常に3桁を記録してきている。
3.Josh Hamilton
KinslerとYoungの後という素晴らしい打線の中で打つこととなる一流の強打者。本塁打王と打点王争いに加わってくることだろう。
4.B.J. Upton
プレイオフで発揮したパワーとスピード(7本塁打/6盗塁)には感心させられた。肩の手術からの復帰状況がこの春の重要な話題となる。
5.Carlos Beltran
116得点/27本塁打/112打点/25盗塁/打率.284という数字にケチの付けようが無い。

Brad Evans
1.Grady Sizemore
100得点/30本塁打/30盗塁を昨年唯一記録した、驚異的な成績を残す選手。
2.Ryan Braun
まだ全盛期を迎えていない。45本塁打/120打点は不可能ではない。
3.Josh Hamilton
怪我の悪魔を回避し、長打力の更なる成長が見込まれる。40本以上も可能だ。
4.B.J. Upton
昨年は本塁打が一桁に終わってしまったが、20本塁打/50盗塁の可能性は垂涎もの。
5.Alfonso Soriano
怪我の懸念が少々リスクある選手としているが、複数カテゴリーに渡る見返りは非常に大きい。

Scott Pianowski
1.Grady Sizemore
4カテゴリーにおける帝王。深く成績を分析すれば、リバウンドは小さそうだ。
2.Ryan Braun
肋骨の怪我で昨年怪物のような成績を残すことは出来なかったが、将来のMVPだ。
3.Josh Hamilton
ロードの試合での成績を何とかしないといけない(打率.263/長打率.448)が、アーリントンでの数字は凄まじい。
4.B.J. Upton
長打力はプレイオフで戻ってきた(7本塁打)。肩も治っている。
5.Carlos Beltran
メジャーで最も過小評価されている5カテゴリープレイヤー。

[外野手:過小評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Andre Ethier
Mannyの前で3番を打つことになるだろう。Mannyが来てからのOPSは1.100だ。
2.Lastings Milledge
昨年の最後の52試合を打率.318/7本塁打/11盗塁で終え、経験を積んだかつてのトップ・プロスペクト選手のADPが146とは大安売りだ。
3.CoCo Crisp
まだ29歳だ。カンザス・シティの一番打者のレギュラーとして打率.290/100得点/25盗塁を狙っていける。
4.Justin Upton
全体1位指名でプロに入ったこの選手は、昨年の9月にOPS.919を記録しシーズンを終えた。すでに昨年記録したのと同じ数の盗塁(1)をこの春に決めている。
5.Jermaine Dye
過去2年ですっかり他の外野手の間に隠れてきてしまっている。過去221試合で50本塁打。

Andy Behrens
1.Torii Hunter
Corey Hartより50位ほど後に指名されているが、成績予測は似たようなものだ。
2.Curtis Granderson
タイガーズの一番打者はドラフト上位50人に入っていない。だが20本塁打/120得点をまた記録するシーズンとなれば、成績上位50位に入ってくるだろう。
3.Johnny Damon
100得点と20盗塁の有力候補だが、12巡目まで残っている。
4.Nelson Cruz
今季の打線予想で、彼の前を打っている選手達を見てみるといい。理想的な環境だ。
5.CoCo Crisp
カンザス・シティのトップバッターは、少なくとも2カテゴリーで貢献してくれる。20盗塁以上を4度記録している。

Brad Evans
1.Magglio Ordonez
少しずつ衰えを見せているが、打率.300/100打点/90得点への復帰は賞賛に値するものとなる。
2.Nelson Cruz
AAAAレベルというレッテルは彼にふさわしいものではない。昨年3Aでの383打席で打率.347/37本塁打/24本塁打という驚異的な成績。
3.Raul Ibanez
東のMagglioは新たなユニフォームで素晴らしい成績を残すだろう。打率.290/25本塁打/100打点/85得点程度の可能性もあり、115位では安い買い物だ。
4.Andre Ethier
長打力の成長と、強硬なドジャーズの打線でMannyの前となる3番を打つという状況は、成長を見せた昨年のシーズンからさらに伸びることを意味する。
5.Elijah Dukes
得点・本塁打・盗塁・検挙数で有力な選手となることだろう。20本塁打/20盗塁の候補が260位以下で手に入る。

Scott Pianowski
1.Carl Crawford
昨年の不調は膝と指のせいにしよう。彼を安く獲得できる唯一のチャンスだ。
2.Andre Ethier
Mannyが街にやってきてからは打率.368/出塁率.448/長打率.649と大爆発した。将来的には打撃のタイトルを取る選手だ。
3.Mike Cameron
凡庸な打率を計上することとなるが、他の4カテゴリーの成績はADP318では良い買い物だ。
4.CoCoCrisp
ボストンはあまり合っていなかった。2004年から2005年にかけての彼の姿をカンザス・シティで密かに取り戻す可能性がある。
5.Randy Winn
他の皆には話題の的のプレイヤー達を追わせておいて、自分は安定して利益をもたらしてくれる退屈なベテラン選手達(Ibanezオールスターズ)で打ち負かそう。

[外野手:過大評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Matt Holliday
30半ばというYahoo!のADPは概ね正しいが、20位以内で獲得しているプレイヤーもよく目にする。
2.Alex Rios
よく上位50人の中で指名される選手だが、すでに28歳にもなるのに全てのカテゴリーで揃って良い成績を残したことがない。20本塁打/100得点/20盗塁という指標をクリアしたのは、それぞれ1回ずつしかない。
3.Chris Young
真剣な話、100順くらい後にMike Cameronを獲ったとしても大した差はない。
4.Vernon Wells
不調か怪我かその両方か。もう彼が150試合以上に出場できるとは僕は思っていない。
5.Vladimir Guerrero
上記のWellsとほとんど似たようなもの。

Andy Behrens
1.Matt Holliday
どの球場でも素晴らしい打者だが、コロラドでは借りてきた猫のようだった。
2.Manny Ramirez
27.0という現在のADPはRamirezのやる気と真摯な取り組みが前提となっている。
3.Vernon Wells
膝の問題が再燃したのに、他のより安全で似たような成績の選手達より数巡先に指名されている。
4.Michael Bourn
打率.237しか残せないのならば、盗塁数も儲け物とはならない。
5.Vladimir Guerrero
ADP37.6と特別に過大評価されているわけではないが、膝の状態は心配なままだし、Markakis、Kemp、RiosやGrandersonより大分前に指名されている。

Brad Evans
1.Carl Crawford
本塁打量産への期待がまたしても彼の評価を上位30人の中にまで押し上げている。彼は高い値札がついたJacoby Ellsburyだ。
2.Vladimir Guerrero
34歳のVladは年を重ねるごとに怪我のリスクを高めてきている。能力も減退の兆候を見せている。
3.Matt Holliday
景色と監督が変わることは、成績を下方修正するはずだ。4巡目で指名されるべき選手が2巡目で指名されている。
4.Hunter Pence
ADPによると外野手で上位25人に入るかどうかという位置にいる選手。51.7%というゴロ率を下げないことには期待に応えられそうもない。
5.Nate McLouth
安定感のないマイナーでの成績や総合的な能力を見る限り、昨年の本塁打数が彼の上限のようだ。

Scott Pianowski
1.Alfonso Soriano
年齢、健康の不安、盗塁数の減少。2巡目で指名しようとは思わない。
2.Jay Bruce
左投手相手に打率.190で、盗塁試行10回で成功は4回だけ?彼はまだスーパースターではない。
3.Ryan Ludwick
素晴らしい快進撃となったが、標準的とは思えない数値が散見される。本塁打率とフライ率は低下するだろうし、彼は打率.299を標準的に残すような選手ではない。
4.Hideki Matsui
走力を奪われ、DHを強制されることとなる。健康と成績、どちらが問題となるかはわからないが、1シーズン通して出場し続ける確率は低い。
5.Delmon Young
10本塁打に長打率.405?それでは外野手の厚い壁を打ち砕くことはできない。

[外野手:プロスペクト上位5選手]

Brandon Funston
1.Cameron Maybin
2.Travis Snider
3.Jason Heyward
4.Colby Rasmus
5.Matt LaPorta

Andy Behrens
1.Cameron Maybin
2.Travis Snider
3.Colby Rasmus
4.Andrew McCutchen
5.Dexter Fowler

Brad Evans
1.Colby Rasmus
2.Matt LaPorta
3.Dexter Fowler
4.Andrew McCutchen
5.Austin Jackson

Scott Pianowski
1.Cameron Maybin
2.Travis Snider
3.Colby Rasmus
4.Dexter Fowler
5.Andrew McCutchen

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