2009年3月13日金曜日

ポジション別分析:一塁手

原文

今季の一塁はどれだけ層が厚いだろうか?

そうだな、過去に50本塁打を記録したことがある選手が2人(Ryan HowardとPrince Fielder)いるが、そのどちらもこのポジションの最上層には入らない。MVPの受賞経験がある現役一塁手は4人おり、首位打者経験者も4人、40本塁打を記録したことがあるのは12人いる。生涯通産OPSのランキングを見てみれば、メジャー史上上位50人の中に現役一塁手が6人入っていることがわかる。しかも51位はMark Teixeiraで、65位はAdan Dunnである。

つまり、優秀な一塁手が足りないという状況は起こらない。12チームのPublicリーグでは、全ての参加者が一塁に関しては大丈夫だという印象を受けることとなるだろう。Utilの枠を埋めるのにもまだ十分な一塁で出場可能な選手たちが残っている。ALやNLに選手を限定したリーグにおいても、一塁は問題とはならない。このポジションは単純に人材が溢れている。まだファンタジーにおける価値をしぶとく残しているベテラン(Carlos DelgadoとJason Giambiは昨季2人合わせて70本塁打)も数人いるし、今季明らかに復調が予測されている選手(Paul Konerkoは後半戦のOPSが.910)もいる。中位の階層は若く、爆発の可能性がある選手達(Joey Votto、Chris Davis、Billy Butler)と実績のある1.5流の選手達(Derrek Lee、Garrett Atkins、Aubrey Huff)の混ぜ合わせである。

だが、層が厚いからといって最初の数巡で一塁手を完全に無視してしまうというのはできないということを付け加えておく必要がある。ファンタジー・ベースボールは究極的にいえば数字のゲームだ。一塁で最上位に位置する選手達は、中位の階層にいる選手達を複数のカテゴリーで数字的に圧倒する成績を残してくる。まさにそういったことの出来る選手達こそ、1~4巡目で指名していかなければならない選手達である。一般的なドラフトで上位30人の中に一塁手が7人もいるのはそういう理由からだ。誰かが一塁手を上位で指名せずに中位でDerrek Leeを指名するべきであるというのは正しい意見だが、LeeとAlbert Pujolsの成績の差はとてつもなく大きくなるというのもまた正しい。

今季の階層分けをするにあたって、最上層はPujolsだけのものとした。彼は昨年のYahoo!のファンタジー・ランクで1位となっており、まだ29歳である。過去5年で打率.330以上を4回記録してきている。先ほどのOPS記録のページをもう一度見てみると、Pujolsの1.049は野球史上5位の記録で、上にはBabe Ruth、Ted Williams、Lou GehrigとBarry Bondsしかいない。Pujolsが競技史上最高の右打者であると主張するのは難しいことではない。Miguel CabreraとRyan Howardが次の階層に位置するが、昨季のPujolsは打率でそれぞれ.065と.106上回った。

通常のファンタジー・ドラフトにおいては、Albertがドラフト上位4人から漏れるということは考えられない。2番目の階層にいる選手達もドラフト2巡目が終わるまでには全ていなくなっているはずだ。

★★★★★
Albert Pujols

★★★★☆
Miguel Cabrera
Ryan Howard
Mark Teixeira
Prince Fielder
Lance Berkman

★★★☆☆
Justin Morneau
Adrian Gonzalez
Kevin Youkillis

★★☆☆☆
Joey Votto
Derrek Lee
Garrett Atkins
Chris Davis
Victor Martinez
Adam Dunn
Carlos Pena
Carlos Delgado
Aubrey Huff

★☆☆☆☆
Conor Jackson
James Loney
Jorge Cantu
Paul Konerko
Carlos Guillen
Jorge Cantu
Pablo Sandoval
Adam LaRoche
Billy Butler
Jason Giambi

☆☆☆☆☆
Casey Kotchman
Hank Blalock
Mike Jacobs
Casey Blake
Todd Helton
Jose Lopez
Nick Swisher
Ryan Garko
Lyle Overbay
Matt LaPorta
Chad Tracy
Gaby Sanchez
Travis Ishikawa

[一塁手:総合上位5選手]

Brandon Funston
1.Albert Pujols
7年連続で左投手と右投手のどちらに対しても3割以上を打ってきている。
2.Miguel Cabrera
ALにおける中・上流階級向けのPujolsだ。
3.Mark Teixeira
5年連続の30本塁打100打点。そして今季はNYYの打線の中軸で打つことになる。
4.Ryan Howard
もし打率.280が保証されているとするのならば1つ順位を上げるところだ。
5.Prince Fielder
この24歳は昨季後半の103試合で26本塁打と本来の調子に戻してみせた。

Andy Behrens
1.Albert Pujols
殿堂入り間違いなしの選手たちの中でも最も間違いが無いところにつけている。
2.Miguel Cabrera
CabreraはPujolsを一回り小さくしたかのような選手だ。
3.Ryan Howard
打率を犠牲にすることとなるが、彼の持つ他の数値を無視することはできない。
4.Mark Teixeira
驚異的な安定感を誇る打者で、強打線の中核を打つこととなる。
5.Prince Fielder
この24歳は絞った体でSTに現れ、結果を出している。

Brad Evans
1.Albert Pujols
スーパーアルバートがやることといえばスーパーな成績を残すことのみだ。打率.330/35本塁打/115打点/100得点は堅い。
2.Miguel Cabrera
BaconatorのようにALの投手陣を打ち砕いていくことだろう。打率.300/35本塁打/120打点/90得点くらいを残せる可能性がある。
3.Ryan Howard
昨年の酷い打率は.265から.275くらいにまで回復するだろう。低調の後の安売りで獲得するには絶好の選手だ。
4.Mark Teixeira
新たなユニフォームはかなりの重圧を与えるだろうが、キャリア最高の年とすることも十分に可能だ。
5.Lance Berkman
安定感の王者はいつも頼りになる。01年以降に打率.290/30本塁打/100打点を5回記録してきている。

Scott Pianowski
1.Albert Pujols
保険の問題でWBCを回避することとなったが、肘は問題ないと発言している。
2.Miguel Cabrera
後半戦はALの投手陣を圧倒的に打った。
3.Mark Teixeira
最高峰の攻撃陣を誇るブロードウェイへと向かうことに欠点となる要素は何もない。
4.Ryan Howard
長打力はどこを取っても驚異的だが、左投手相手には苦戦する。
5.Lance Berkman
意外な盗塁数の上昇も、後半戦ではすっかり消えてしまった。勘定に入れない方が良い。

[一塁手:過小評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Pablo Sandoval
1B/3B/Cの出場適正を持ち、打線の中核を打つこの選手は、ドラフトでは30位先に指名されているチームメイトのMolinaより可能性を秘めている。
2.Carlos Pena
Yahoo!のADPでは107位。1巡目でHowardを逃した人への残念賞としては優秀だ。
3.Paul Konerko
昨年最後の43試合で13本塁打を記録したのは、まだ力が残っていることの証。
4.Aubrey Huff
もしもこの2000年のトップ20プロスペクトだった選手の昨年の成績がまぐれだと言うのならば、03年と04年の成績は何なんだい?
5.Carlos Guillen
打率.300/15本塁打/15盗塁の力をすでに実証済で、すぐに3ポジションでの出場適正(1B/3B/OF)が付くというのに、Yahoo!のADPでは上位200位に入っていない。

Andy Behrens
1.Prince Fielder
この選手は23歳を迎えたシーズンで50本塁打を打った。まだ全盛期には達していないという可能性もある。
2.Joey Votto
マイナーでは20本塁打/20盗塁を記録する打者だった。そして今打撃に有利な環境にいる。
3.James Loney
数年に渡って議論の的となってきている選手だが、彼はまだ24歳だ。
4.Garrett Atkins
彼はあまり好まれていない選手だが、86得点/21本塁打/99打点/打率.286と十分な成績を残している。
5.Paul Konerko
昨年は幸運だったとは言えなかったが(BABIPが.247)、後半良い成績でシーズンを終えた。

Brad Evans
1.Pablo Sandoval
捕手で出場できて打率.310の可能性があるのに、230位以降で指名されている?恥だ。
2.Joey Votto
昨年後半に打率.321/11本塁打/44打点。
3.Carlos Pena
レイズの大砲は廉価版Howardだ。
4.Conor Jackson
少しずつより積極性を持ち始めている。いよいよ20本塁打を達成する可能性がある。
5.Billy Butler
今年こそゴロではなく本塁打を打つ時だ。昨年のゴロ/フライ率は1.41。

Scott Pianowski
1.Adrian Gonzalez
都市に覆われ球場に抑えられているが、それでも彼はリスクの無いスーパースターだ。
2.Carlos Pena
タンパ・ベイに来てからの彼は爆発的だが(77本塁打、223打点)、誰も彼を話題に挙げない。
3.Garrett Atkins
彼を叩くのが流行りのようだが、2008年の成績はそんなに悪いものではなかった。
4.James Loney
KempとEthierが全ての話題をさらい、Loneyは間で見失われてしまっている。
5.Aubrey Huff
完全に同じ成績とはいかないだろうが、安い値段で昨年の大半の数字は残してくれる。

[一塁手:過大評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Adan Dunn
打率.240の打者に全体70位以内の指名枠を使うには、一塁は層が厚すぎる。
2.Joey Votto
07年のLoneyのように、9月の9本塁打という実績に人々は高い値段を払いすぎている。
3.Nick Swisher
パワーの劣ったAdam Dunn。代わりにLaRocheを数巡後に獲った方がいい。
4.Casey Blake
この35歳は三塁でDeWittを抑えるのに苦戦することになるだろう。
5.Mike Jacobs
安定感とケガのしやすさに難があり、カンザス・シティには他にも一塁手の候補がいる。

Andy Behrens
1.Chris Davis
彼のことを好きじゃないわけではないが、高すぎるADPを見る限り安い買い物ではない。
2.Carlos Pena
40本塁打の確証なくAdam Dunnの打率を計上することとなる。
3.Mike Jacobs
左投手には手も足も出ないし、ロイヤルズには他にもDH/1Bタイプの選手がたくさんいる。4.Adam LaRoche
4月に彼を出場させることはできない。4月は通産で打率.179/出塁率.274/長打率.325の選手だ。
5.Todd Helton
長打力は05年に消え去ってしまい、体調は常に心配事となっている。

Brad Evans
1.Aubrey Huff
キャリア最高の成績となった昨年は幻の可能性が高い。10本少ない本塁打と20少ない打点を想像しておくといい。
2.Derrek Lee
2年連続20本塁打で、長打力は平均よりやや上というのがこの選手の標準となってしまった。
3.James Loney
彼は少しだけ打点の多いCasey Kotchmanだ。20本塁打というのは夢のまた夢。
4.Carlos Guillen
昨年は怪我にも関わらず総合的な成績は良好なままだった。しかし一塁手としてはとても物足りない。
5.Jorge Cantu
特筆すべき復活劇は惚れ惚れする活躍だった。だが今季は30以上ではなく、20~25本塁打というのが妥当なところだろう。

Scott Pianowski
1.Chris Davis
まだ僕には可能性の選手でしかない。他の人たちは確実なものだと見ているようだ。
2.Adam Dunn
低打率が静かに痛めつけてくる。
3.Kevin Youkilis
彼が昨年のパワーを維持できるとどうやって知りようがあろうか。
4.Casey Kotchman
Mark Grace 2.0と呼ばれるのはファンタジーにおいて褒め言葉ではない。
5.Todd Helton
例えコロラドにいたとしても、故障がちな背中の問題を抱えていては、僕のMixedリーグ用のCheat Sheetに名前は載らない。

[一塁手:プロスペクト上位5選手]

Brandon Funston
1.Matt LaPorta
2.Lars Anderson
3.Gaby Sanchez
4.Justin Smoak
5.Kila Ka'aihue

Andy Behrens
1.Matt LaPorta
2.Kila Ka'aihue
3.Lars Anderson
4.Gaby Sanchez
5.Yonder Alonso

Brad Evans
1.Lars Anderson
2.Gaby Sanchez
3.Yonder Alonso
4.Chris Carter
5.Justin Smoak

Scott Pianowski
1.Lars Anderson
2.Justin Smoak
3.Logan Morrison
4.Eric Hosmer
5.Angel Villalona

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