3巡目1位 全体25位 Ichiro Suzuki OF (Chris Liss)
ファンタジーにおいて打率でポイントを稼ぐには最高の選手であるイチローにとって、686打席で打率.310に終わった昨年は不調の年だった。だがこの不調には、打球が野手の所に飛ぶ回数が多かったという不運もあった。彼の昨季のBABIP(*=フェアグラウンド上に打球が飛んだ時に状況を限定した打率)は.337に過ぎず、キャリア平均の.356より低い。これが標準的な数字へと平均化されてくると考えれば、彼の今季の打率はおよそ700打席で通産平均の.331に近付いてくることだろう。自動的に付いてくる100得点と40そこらの盗塁も忘れてはならない。
SS Hanley Ramirez
OF Carlos Lee, Ichiro Suzuki
3巡目2位 全体26位 Alfonso Soriano OF (Chris Liss Alt.)
Sorianoは昨シーズンふくらはぎの故障と手の骨折で54試合を欠場することとなったが、どういうわけか2007年と同水準の29本塁打と19盗塁を126打席少ないにも関わらず達成させた。さらには、彼は常に低水準にある三振率を悪化させることなく、ビッグシーズンとなった2006年と同じレベルの四球率を記録している。別の言葉で言い換えると、彼は打席において過去最高に我慢強さを見せた。未だに標準的とは言いがたい低水準ではあるものの、彼のような天性の才能の持ち主が少しでもボールを見極めようとするというのは、大きな見返りが待っている可能性が高い。ただふくらはぎの怪我により足の故障で2年連続でDL入りしたという点と、33歳という年齢を考えれば3年連続となってもおかしくないという事は考慮した方がいい。
2B Dustin Pedroia
3B Alex Rodriguez
OF Alfonso Soriano
3巡目3位 全体27位 Matt Holliday OF (Brad Evans)
インターネット上のどこの掲示板を熟読しても、Hollidayについて書かれた数ページの議論を目にすることとなる。昨年の11月にオークランドが獲得を表明して以来、昨シーズンの1巡目指名の常連であった彼は当然のごとく熱い議論の的となった。打者不利とされる大きな球場で彼の本塁打数は減少してしまう?史上稀に見るほど保守的な戦略を取るアスレチックスで、彼は20盗塁を記録することが出来る?100打点を記録できるほど彼の前に出塁できる打者が揃っている?Rickey Hendersonはまだ明日正装してくる準備が出来ている?Hollidayの成績が転落するのは避けられない。でもおそらく多くの人が想像している程ではないことだろう。プレイする場所が変わっても、走塁の技術が消えてしまうわけではない。もちろんオークランドは昨シーズンはコロラドより79回盗塁の企画数が少なかったけれど、過去において企画数が多かった時はとても効率的に塁を盗んでいくチームだった。昨季93%の盗塁成功率を誇ったHollidayは、計画性を重んじる戦略を取るチームにおいても15~20盗塁が期待できる。Mattが100打点を超えるためにはMark Ellis(出塁率.321)とRyan Sweeney(出塁率.350)がより塁に出ていく必要がある。例えボールに重しが詰まっているようなこの球場でも、オールスターに3回選出されているこの選手ならば打率.300/25本塁打/100打点/95得点/15盗塁が可能だ。ホームを離れた時の彼の成績をどれだけ厳しく非難するのも自由だが、3巡目の前半という指名順位においては彼は物凄く価値がある。
1B Albert Pujols
OF Matt Holliday
Util Lance Berkman
3巡目4位 全体28位 Justin Morneau 1B (Brad Evans Alt.)
アルコールを1、2杯飲ませた後にリーグの仲間に昨シーズンの一塁手で誰が二番目に多くの打点を挙げたのかを聞いてみても、Morneauの名前はすぐには出てこないことだろう。彼の本塁打数は07年から急降下してしまったものの、この左打ちのカナダ人選手は打点をあげることに関しては怪物的だ。さらに重要なことに彼は打率3割に復帰し、得点数もキャリア最高と並ぶ97を記録した。ゴロ率が上昇してきていることを考慮すると、35本塁打の達成は起こりそうもない。しかし、何だかんだと言っても彼の複数項目に渡る貢献の優秀さは評価に値する。既にReyesとRamirezがラインアップに加わっているこのチームにとって、Morneauの信頼できる4ツールプレイヤーだ。
1B Justin Morneau
SS Jose Reyes
OF Manny Ramirez
3巡目5位 全体29位 Carlos Quentin OF (Andy Behrens)
昨季自ら負傷させてしまった手首の怪我は当然心配事の一つだ。だがQuentin本人は完全に回復していると主張しているし、昨年の成績はただただ驚異的だった。彼はシーズン最後の月を欠場したのにも関わらず、36本でALの本塁打数で2位となった。もしも同じ割合でさらに25試合、90打席をプレイしていたとしたら、彼の成績は114得点/42本塁打/118打点となる。この数値だけを見れば、彼がこんな位置まで指名されてないというのは不可思議なことだ。だけどもちろん、怪我を完全に無視するというわけにはいかない。彼はまだ26歳だけど、多くの試練を経験してきている。まるで死球を吸い寄せる磁石かのような彼は、すでに肘と肩と手首に深刻な故障を経験してきた。この指名は全て良い結果を残す可能性に賭けたものだ。彼を全体の29位で指名するのは少し急ぎすぎな感じもするかもしれないが、彼のMock Draft CentralでのADPは36.9だ。4巡目でこのチームが指名できるという可能性は薄い。もし誰か特定の選手に対して熱中しているのなら、アグレッシブになることだ。
3B David Wright
OF Carlos Beltran, Carlos Quentin
3巡目6位 全体30位 Brandon Phillips 2B (Andy Behrens Alt.)
このチームには盗塁が必要で、27歳のBrandon Phillipsは他のカテゴリーを犠牲にしないで盗塁数を提供してくれる。もちろん二塁を埋めるということは大切なことだけど、Phillipsはポジションを考慮しなかったとしても価値のある選手だ。2007年における彼は打率.288/30本塁打/94打点/107得点/32盗塁を記録した。指の骨折によって短いシーズンとなってしまったけれど、2008年も20本/20盗塁を記録した。基本的に言って、彼は600打席に到達することが出来るのならば、少なくとも4つのカテゴリーで貢献してくれることだろう。ここでCarl Crawfordを指名するというのがもう一つのプランだった。CC Sabathiaを獲得するというのも頷けるが、僕の考えではCCと彼の後に指名される4~5人の投手の差はそれほど大きくない。
1B Prince Fielder
2B Brandon Phillips
OF Ryan Braun
3巡目7位 全体31位 CC Sabathia SP (Matt Romig)
いや、僕は彼のミルウォーキーでの防御率1.65、WHIP1.00の成績がそのまま持ち越されると思っているわけじゃない。3登板で防御率0.82/WHIP0.82を記録したピッツバーグや、4登板で防御率1.82/WHIP1.08に終わったシンシナティのような対戦相手はAL Eastには存在しない。彼が新たに得るものは、どの投手にとっても多すぎるくらいのチーム得点と、メジャーリーグ史上最高ともいえるクローザーによる手助けだ。昨季キャリア最高の251を記録し、2年連続で200以上となった奪三振数は上昇傾向にある。彼の体調について懐疑的な見方をするふざけた論調に対しては、彼はここまでたった一年を除いては全て30先発以上をしてきていると言ってやろう。僕は彼にとって初めてとなる20勝と、新たなる200奪三振のシーズンの可能性にこの指名順を費やすことにする。
OF Grady Sizemore
SP Johan Santana, CC Sabathia
3巡目8位 全体32位 Brian Roberts 2B (Matt Romig Alt.)
このモックドラフトを通して、ポジションの層の薄さという概念が少し大げさに考えられすぎているというもっともな指摘があった。MIやCIが存在しない初期設定で行われているこのドラフトでは、最下層に位置する12番目の選手を獲得したとしてもそこまで辛すぎるというわけではない。そうは言うものの、SSと2Bのポジションには5ツールプレイヤーが豊富に存在しているとは言えない。Robertsの成績は、ポジションがどこであろうと出場させるに値するものだ。彼は過去の3シーズンにおいて、堅実に2桁本塁打と打率.290を記録しながら、平均して42盗塁と100得点弱を残してきている。もしまだ後何か一押しが欲しいと考えているのなら、彼は2010年にFAとなる可能性がある。意気込みもひとしおとなることだろう。(もしくはシーズン途中での強豪チームへの移籍もあり得る。)
2B Brian Roberts
OF Josh Hamilton, BJ Upton
3巡目9位 全体33位 Carl Crawford OF (Brandon Funston)
もしあなたが過去数年のドラフトにおいてCrawfordを上位15位以内で指名してきたのだとしたら、おそらくあなたは「彼には隠された長打力が秘められていて、もうすぐ爆発するところだ」とでも言って指名を正当化しようと試みてきたことだろう。でも全体33位での指名ならば、何の正当化の必要もない。MiggyとLongoriaがすでに長打力のカテゴリーをカバーしているこのチームにおいては、ただ50盗塁/打率3割と100得点を狙える一流のスピードを持った選手を探しているだけのことだ。Crawfordはまさにそういう選手だ。昨季は指の負傷で50試合ほどを欠場することとなったが、プレイオフでは復帰して優秀な成績を残した。まだ27歳の彼のベストシーズンはこれからだと考えるのも自然なことだろう。
1B Miguel Cabrera
3B Evan Longoria
OF Carl Crawford
3巡目10位 全体34位 Jason Bay OF (Brandon Funston Alt.)
打率.302/32本塁打/124打点/122得点。もしもBayがボストンでプレイした60試合(プレイオフ11試合を含む)の成績で、シーズンを通した162試合を戦っていたとしたら、こういう数字になる。当然のことだが、彼はDavid OrtizとKevin Youkilisの後の5番で打つことを楽しんでいた。およそ1試合に1打点を上げ、OPSは1.000弱まで上昇した。故障にも強い選手で、まだ30歳と年齢的にも全盛期にあり、リーグ全体で見てもトップレベルの打線の中核で打つことになる。
2B Ian Kinsler
OF Jason Bay
Util Chase Utley
3巡目11位 全体35位 Aramis Ramirez 3B (Scott Pianowski)
まだ30歳で、3年間の平均成績(打率.296/87得点/30本/110打点)の安定ぶりを見れば、彼を拒絶するのは難しい。心地良いホーム球場と昨季チーム得点でNL一位となった優秀な周囲のプレイヤー達の充実ぶりを考えれば、ここで大事な指名枠を使って彼を獲得するのは全く惜しくない。世界で最高に魅力的な指名というわけではないが、間違いなく安定感のある指名だ。過去5年においてRamirezが記録した最低の数値というのはそれぞれ打率.289、26本塁打、92打点である。スター選手の獲得を狙うのにはまだまだ時間がある。最初の数巡で重要なのは全てチームの基礎を築くということだ。
1B Ryan Howard
3B Aramis Ramirez
SS Jimmy Rollins
3巡目12位 全体36位 Nick Markakis OF (Scott Pianowski Alt.)
チェックリストを出して、Markakisの長所を確認していってみよう。5つのカテゴリーで貢献できる:○。毎年成績が上がってきている:○。最高峰の素質を持っている:○。(Markakisは2003年のドラフトにおける全体7位指名だった。) 僕は彼にもっと走塁でも成功を収めて欲しいと思っているけど(昨季17試行で10盗塁を記録)、仮に彼が全く走らなくなってしまったとしても、僕はこの順位での指名を考える。それだけこの良いスイングをする左打者のことを信じているんだ。もしも昨年記録した二塁打の少しでも今年は本塁打に変わるのだとしたら、次の十年におけるトップ15に入るような選手を見ることになる
1B Mark Teixeira
OF Nick Markakis
SP Tim Lincecum
すごい翻訳の勢いですね。楽しく読んでいます。
返信削除個人的には、このドラフトのあったときから事情が変わっていて、A-RODがどこまで下がるのかが気になります。DL枠を半シーズン埋めてしまいますしね…。H2Hなら、かなり下がると思うのですが、ROTOではそうでもないのでしょうか?
RotoでもH2HでもA-Rodの価値は同じようなもので、物凄い勢いで下がってきています。(選手枠がより重要なH2Hの方がRotoよりさらに少し価値が低くなるでしょうか。) ST開始前時点でのランキングではどこもHanRam1位にA-Rod2位というのが多かったと思いますが、ステロイド騒動に加えて手術で離脱の可能性ときたもので、Mock Draft Centralでの3/2~3/6の期間を集計したADPは6.35になっていますね。体感で今現在の平均だけを取るとおそらく10~11位くらいでしょうか。まだ手術をするかどうかが決まっていないこの状況でドラフトをするとしたら、まさにハイリスクハイリターンな指名と言えそうです。
返信削除こんばんわ。それでも多くは10位の評価をしている(一巡目)んですね。自分だったら、まず手を出さないと思いますね…。
返信削除あの時点ではまだ手術するかどうかがわからないという段階だったのもありますし、後はどれだけ真面目な人達が集まっているとしてもあくまで結果が意味を持たないMock Draftでのランキングですので、誰かは深く考えずに指名してしまうというところですね。手術が正式に決定となったので、これからどこまで下がっていくか/どこで指名をするべきなのかの判断が見ものです。
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