Yahoo! Sports専属のAndy Behrens氏といつもの顔ぶれによる分析です。階層分けされたランキングとなっています。(原文)
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捕手というポジションはファンタジー・スポーツのファンに対して妙な支配力を持っている。おそらくJohnny BenchがThe Baseball Bunchの番組を通して世間に発信していた理解不能なくだらなさのサブリミナル効果が関係しているのだろうが、それを証明するのは難しい。
確実に言えることは、僕らは皆捕手というポジションの選手を好むということだ。一般的なYahoo!のリーグでは、上位70人の中に5人の捕手が指名されている。Russell Martinが最初に消えていき(ADP 39.3)、次にBrian McCann(41.3)、Joe Mauer(48.7)、Geovany Soto(55.2)、そしてVictor Martinez(63.7)だ。捕手のポジションの最上層はこの5人で占められているが、2度首位打者を獲得しているMauer以外は、どのカテゴリーにおいてもリーグで際立った成績を残した実績はない。この5人の捕手は、誰もシーズンで26本塁打以上を記録したことがないのだ。
彼らのADPに対するはっきりした懸念は、これら5人の選手が揃って最終成績で上位70人以内にランクインする確率は全くないということである。昨シーズンのYahoo! Rankにおいては、誰一人として上位70位に入らなかった。打率.328と98得点を記録したMauerは71位となったが、他に上位100位以内に入ったのはBrian McCannだけである。Martinは118位でシーズンを終え、Ryan Doumitは143位、NLの新人王に輝いたSotoは150位だった。実際のところ、Yahoo!のランキング計算式に基けば、サンフランシスコの外野手であるRandy WinnがMauerを除く全ての捕手より上位の成績を残したことになる。
この情報に対する反応は3種類考えられる。「うわ、なんて(自主規制)な計算式なんだよ」か「Randy Winnは俺が思ってたより良い選手だな」か「うーん、もしかしたら一流の捕手を獲得するということを重要に考えすぎていたかな」だ。
層の薄さを重要視する人たちは、優秀な選手の少ないポジションで一流の選手を獲得することの重要性を声高に叫んでいる。もちろんそうすることによって得られる優位性というものは存在するが、それが捕手というポジションとなると難しい。遊撃手や三塁手とは違って、そのポジションの一流選手が、ポジション全く関係なしにリーグ全体で見ても一流選手というわけではないからだ。Hanley RamirezとDavid Wrightはもし左翼手としてプレイしていたとしてもドラフト一巡目で指名されていくことだろう。だがもしもMartinが左翼しか守れなかったとしたら、ADPの39位からは程遠い位置で指名されることとなる。
彼の2008年の成績をA.J. Pierzynskiのものと比較してみよう。A.J. Pierzynskiは彼の基準でいうといつも通りの成績を残したが、昨年のYahoo!ファンタジーにおいてはどのチームにも獲得されずに未所属となっているリーグも多かった。
Martin - 87得点/13本塁打/69打点/18盗塁/打率.280
Pierzynski - 66得点/13本塁打/60打点/1盗塁/打率.281
盗塁と得点におけるMartinの優位性は大きいが、重大という程の差ではない。もしも2007年の19本塁打/21盗塁/打率.293という成績を再度記録することとなったとしても、一流と呼べる数字ではないだろう。07年のMartinはシーズン終了時のファンタジー・ランクで80位だった。12人リーグのMixedリーグで4巡目の指名枠を使うのに理想的であるとは言えない。
捕手の出場枠が2つある設定や、ALもしくはNLの選手のみというリーグ設定ではもちろん話が全く異なってくる。こういった設定では、単純に有用な捕手の数が足りなくなってくるからだ。ガラクタを避けるためにはどうしても早め早めに指名していく必要が出てきてしまう。
そういったリーグでは、打者のプロスペクトで一番のMatt Wieters(ADP 111.4)を指名するのにも更なるリスクが伴ってくる。通常のPublicリーグでは、彼を指名することさえ出来たら、後はもし彼が失敗に終わったとしても(昨年の成績と今年のSTの成績を見る限りでは考えにくい)、未所属選手の山の中から有用な代替選手を見つけることができる。もしも彼が3Aでシーズンを始めることとなったとしても(あり得る。ただし長くはならないだろう)、繋ぎの捕手は十分に用意されている。だがALの選手のみのリーグでこの22歳のWietersに投資してしまったとしたら、まるでオリオールズのようにGregg Zaunと1・2か月を過ごすこととなる可能性は覚悟しておいた方がいい。
それでも今季誰かプロスペクトを獲ろうとしているのなら、どんなリーグ形式でもどんなポジションを考慮したとしても、Wietersこそが獲得すべき選手だ。彼は昨年レベルの違う2つのリーグで打率.355/出塁率.454/長打率.600を記録してきており、各種ある今季の成績予想もとにかく驚異的だ。将来的にはこのポジションの最上層はWietersが独り占めとなるかもしれない。
★★★★★
★★★★☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
★☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
[捕手:総合能力上位5選手]
Brandon Funston
5つのカテゴリー全てで有用な選手で、他の全ての捕手より10以上の盗塁を記録し、より多くの打席数を記録する可能性が高い。
3年平均で打率.300/22本塁打/91打点。そして彼はまだ25歳だ。
通産成績を162試合で換算すると打率.317/13本塁打/87打点/94得点/9盗塁。
彼は実績の少ないMcCannだ。
昨年の彼は怪我に悩まされたが、今季の春先では昔ながらの彼の姿を取り戻している。
Andy Behrens
際どいところだが、20本塁打の可能性と打率.300という点でMcCann。実はSotoより1歳若かったりもする。
長打力不足は否めないが、リーグ全体で見ても偉大な打者の一人。
新人王を獲得して26歳のシーズンに臨む今季はMcCannのような数字を残す力量は十分にある。
もしこの両打ちの選手が怪我なくシーズンを過ごすことが出来たとしたら、最上層に位置する選手たちと遜色ない成績を残すことだろう。昨年の打率.318/出塁率.357/長打率.507という数字は説得力がある。
そこそこ盗塁能力があるというのと、毎日出場してくれる選手であるというのは(2年で306試合出場)有益だ。
Brad Evans
本塁打/打点/打率でMartinに勝利した。選球眼と強打の向上は、今季も同じような成績を残すことの予兆である。
長打力のカテゴリーに関してはほぼMcCannと同様だ。もしかしたら2度目のフルシーズンとなる今季は25本塁打を超えるかもしれない。
このポジションにおける盗塁というのは贅沢品だが、McCannとSotoと比較すると長打力不足なのでNo.3だ。
もしも彼がRBI Baseball(*=ファミコンのゲームソフト「プロ野球ファミリースタジアム」の北米版)の頃のKent Hrbekに化けることが出来るのだとしたら、No.1へと駆け上ることとなる。
怪我への懸念が500打席で打率.310/20本塁打/85打点/80得点という素晴らしい昨年の成績を過小評価へと導いている。
Scott Pianowski
盗塁と試合数の多さが優位性となる。
左投手に対してもっと長打を打てるようになるとありがたいが、安定感のある一流プレイヤーだ。
そこそこの長打力しか持たず、昨年は走ることもやめてしまった。
2年目の昨季を十分に戦い抜いた。彼の指名は安全な賭けだ。
ポジションを移動して打席数を増やしていくことだろう。すでにSTで2本塁打を記録している。
[捕手:過小評価上位5選手]
Brandon Funston
チームメイトのMolinaより数巡後で指名されている。3塁手で毎日出場することとなる彼の数字がMolinaより良いものとなったとしても驚かないように。
シンシナティに移籍したことで打率.275/20本塁打/80打点といった成績を残す可能性は十分にある。
Yahoo!のADPで100位あたりで指名されている。もしも130試合以上を出場できることになれば、掘出し物となる。
過大評価とする者もいるが、昨季のLongoriaのようにいきなり衝撃的な結果を残すという彼の可能性に賭けない理由はどこにもない。
25本塁打の可能性と今季の十分な出場数の予測にも関わらず、凡庸な成績しか残した実績のない選手たちよりも後で指名されている。
Andy Behrens
最上層の成績の可能性を秘める選手が下層の価格で手に入る。
昨季はたった333打席で18本塁打。打者有利な球場。
ほとんどが初期設定のMixedリーグなのにYahoo!での彼の平均ドラフト順位は111位に過ぎない。もう一度PECOTAの成績予想を見てみるといい。
マーリンズでHanleyの1つ前となる2番を打つこととなる。08年の233打席で打率.299/出塁率.392/長打率.447を記録。
素晴らしいマイナーでの成績と、シアトルでの比較的良好な今後の見通し。
Brad Evans
捕手として出場させられる唯一のシーズンとなるであろう今季は300打席以上10~15本塁打/75打点/70得点の可能性がある。
新鮮なNLの環境と、打者に優しい球場は、彼のバットを06年のレベルにまで蘇らせるかもしれない。
昨季227打席で20本塁打を記録した優秀な強打者。もし425打席以上を記録できるのなら30本塁打以上。
昨季は安定感抜群の打率.295。ポジション争いにも巻き込まれない。
今季はTeagardenがマイナーに行き、正捕手となると考えられている。打率.270/12本塁打/60打点/55得点の可能性あり。
Scott Pianowski
昨季は水面下で開花の年を迎えた。それもクアーズフィールドでは不運な成績を残して、である。
オークランドで打率.318とOPS.821を記録する選手は誰だって僕の注目を集める。
体が絞れており、昨季は打率.295、潜在能力を残した選手となるにはまだ十分な若さがある
素晴らしいコンタクト率は、彼が昨季の好打率を引き続き記録することを意味している。
もしも2人捕手を指名しようと考えているのなら、彼は2番目の捕手として納得できる選手だ。どうせアーリントンで大した成績を残していたわけではなかった。
[捕手:過大評価上位5選手]
Brandon Funston
僕の中でNo.1の捕手だが、全体40位というのは現在のどの捕手にとっても高すぎるドラフト順位だ。
同上。
確かに彼は昨季打率.304を打ったけれど、これまで本塁打8/打点56/得点39/盗塁2がそれぞれ最高だというのに捕手全体で13位で指名されている。
彼はALにおけるYadier Molinaだ。
現在Yahoo!のADPでは捕手で9位につけているが、肩の手術後で38歳を迎える今季は開幕直後に急降下となるかもしれない。
Andy Behrens
素晴らしい選手だが、39位で獲得する必要はどこにもない。
殿堂入りの可能性は十分の選手だが、肩は心配事だ。
テキサスでのポジション争いでSaltalamacchiaに遅れをとっており、ADPでもそうなるべきである。
実際に捕手のポジションを守らないという点は好まれるだろうが、昨年.205という悲惨な打率は好まれないことだろう。
名は通っている選手だが、過去3年の打率はたった.238に過ぎない。
Brad Evans
幾多の怪我によりパワーの大幅な減少は恐ろしいことだ。まだ人々は彼がこの先もう打てないかもしれない20本塁打以上を記録すると考えてドラフトしている。
本塁打を除く成績は素晴らしい。だが彼とSandovalとのドラフト順位が100も差があるというのは9月ともなればおかしなことに思えてくるだろう。
Scott Pianowski
彼が悪いんじゃない。彼を取り巻く異常な期待が悪いんだ。
彼の開花に賭ける人は多いが、僕にはまだ機が熟していないように見える。
長打率.364なんて冗談だろ?もっと誠意を見せてくれないと指名はできない。
打撃成績は好きだが、昨年以前に起きていた怪我の多さを忘れることは難しい。
右投手に対して打率.201しか打てない選手はグラウンド上にいるべきではない。
[捕手:プロスペクト上位5選手]
Brandon Funston
Joe Mauer以来最高の捕手のプロスペクト。
2.Carlos Santana
3.Buster Posey
4.Max Ramirez
5.Jesus Montero
Andy Behrens
問答無用でNo.1。彼の才能の希少さを言い表すのにまだ使われていない表現を見つけるのは難しい。早く指名する価値はある。
2.Carlos Santana
3.Buster Posey
4.Tyler Flowers
5.Bryan Anderson
Brad Evans
台風の目となるだろうが、Gregg Zaunがいるので昇格は6月まで遅れる可能性もある。
2.Taylor Teagarden
3.Carlos Santana
4.Buster Posey
5.J.P. Arencibia
Scott Pianowski
驚くべきことにボルティモアはまだ彼の背番号を永久欠番としていない。
2.Buster Posey
3.Carlos Santana
4.Tyler Flowers
5.Taylor Teagarden
こんばんは、いつも楽しく読んでいます。ひとつ気になったのが、この記事の中で、RankとADPを同じ指標としてみているところです。僕の推測では、Rankは野手はポジションが考慮されていないのではないでしょうか?ご存知でしたら教えてください。
返信削除RankもADPもどちらもポジションは関係がない指標ですね。Rankは実際の成績を計算式に当てはめて出したランキングで、野手の場合は確か「(安打×4+得点×5+本塁打×15+打点×5+盗塁×15)-打席数」というような計算式で成績が数値化されます。その数値がリーグ全体で見て(投手も含みます)何番目に大きいか、という基準でファンタジーにおける選手の価値を表したものがRankです。
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