2009年3月13日金曜日

ポジション別分析:二塁手

原文

このポジションについてまず理解しなければならないのは、二塁は危険だということだ。怪我をするのが当たり前であり、例外ではない。二塁手たちは接触プレイに巻き込まれる確率が非常に高い。邪魔をしようと滑り込んでくるランナー達の前でベースに足を触れないとならないポジションだ。二塁というポジションそのものが怪我に弱いのである。現役の二塁手で3年連続して150試合以上に出場した選手は誰一人としていない。

もしあなたがファンタジー・リーグにおいて怪我のリスクを最小にしようと考えているのならば、(これはどんなリーグ設定においても愚かな考え方だが、仮にそうしているとしたら、の話だ) 二塁の出場適正を持っているが実際には二塁手としてプレイしない選手を選ぶといい。リスクのない二塁手なんてものは存在しない。怪我をしても嘆かないことだ。そういうものなのだから。

次に二塁について理解しておかないとならないのは、少なくともMixedリーグにおいては価値のある選手の数は特に少なくはないということだ。(NLだけのリーグでは話が全く違ってくる。この設定では酷いことになる。Chase UtleyとBrandon Phillipsの存在が神話化する。僕らがここで挙げた上位14人の二塁手の内、NLでプレイしているのはたった4人しかいない。) 最上位の階層は複数のカテゴリーで際立った成績を残す一握りのプレイヤー達で占められている。だがそれ以降の階層でも有用な選手は十分に見つけることができる。昨年二桁本塁打と二桁盗塁を同時に記録した二塁手は9人おり、その中に2005年から2007年にかけて同条件を達成してきたBrian Robertsや、もう少しメジャー昇格が早かったら達成していたであろうMike Avilesは含まれていない。

だが層の薄さを気にする中毒者たちが二塁のADPを荒らし続けている。彼らはほんの少しの成績の差に大金をはたいており、とんでもなく早い順位の指名を使ってリーグ平均程度の成績の選手を取っている。これを分かりやすく実証するために、以下にあげる3人の匿名の選手の2008年の成績を見てみよう。

Player A - 65得点/21本塁打/77打点/13盗塁/打率.290
Player B - 80得点/17本塁打/89打点/6盗塁/打率.297
Player C - 83得点/20本塁打/79打点/12盗塁/打率.281

普通の考え方を持つプレイヤーの大半はこれら3人の選手の成績の価値はほぼ横並びだとすることだろう。誰一人として一流とは呼べないが、十分に出場枠を与えるに値するものだ。これら3人のどれをレギュラーとして使っていたとしても、リーグで優勝することは可能だったことだろう。

これは野球なので、誰一人として匿名は許されない。Player AはAlexei Ramirezだ。Player BはJose Lopez、そしてPlayer Cは一人のプレイヤーではない。Player Cは僕が2008年にプレイしたPublicリーグでの全てのポジションを集計して計算した、1つのポジションにおける平均成績である。

LopezはRamirezより2歳若く、昨年はYahoo!の最終ランクでRamirezより少し上でシーズンを終えた。だがこの2人のプレイヤーの間には2009年のADPで大きな隔たりがある。Mock Draft Centralのデータでは、LopezのADPは163.6で、RamirezのADPは48.1だ。もしもRamirezがLopezを2009年の成績では上回ると強硬に信じていたとしても、そこで生まれうる成績の差がADPの差に正確に現れているとはとても思えない。それにどちらの二塁手も、Player Cが表していたファンタジーにおける平均的な選手の成績より凄く良いというわけではない。Mark DeRosaはどちらよりも成績が上だった。

もしも4巡目の最後でRamirezを指名するのだとしたら、彼が昨年よりも良い成績を残すということと、彼以降の二塁手は質が急激に落ちるということの2つを信じてそうするといい。ただ彼が自分の二塁手のランキングでその時点で一番上位にいるからという理由だけで、彼を48位で獲得するのは間違っている。

★★★★★
Ian Kinsler
Chase Utley

★★★★☆
Brandon Phillips
Dustin Pedroia
Brian Roberts

★★★☆☆
Alexei Ramirez
Dan Uggla
Chone Figgins
Robinson Cano
Howie Kendrick
Mike Aviles

★★☆☆☆
Kelly Johnson
Placido Polanco
Jose Lopez
Orlando Hudson
Rickie Weeks
Mark DeRosa
Kazuo Matsui

★☆☆☆☆
Akinori Iwamura
Ian Stewart
Aaron Hill
Freddy Sanchez
Felipe Lopez
Alexi Casilla
Mark Ellis
Clint Barmes
Asdrubal Cabrera
Mike Fontenot
Luis Castillo
Nick Punto
David Eckstein

☆☆☆☆☆
Emmanuel Burriss
Jerry Hairston Jr.
Jeff Baker
Blake DeWitt
Aaron Miles,
Brendan Harris
Alberto Callaspo
Ronnie Belliard
Willie Harris
Eric Young
Chris Getz
Eric Patterson
Edgar Gonzalez
Kevin Frandsen
Ramon Vazquez
Willy Aybar
Emilio Bonifacio
Brendan Ryan
Ronny Cedeno

[二塁手:総合上位5選手]

Brandon Funston
1.Ian Kinsler
健康に過ごせる09年を夢見てみる。通算成績を162試合換算にすると打率.290/23本塁打/82打点/115得点/26盗塁。
2.Chase Utley
過去4シーズン全てでOPS.900以上。
3.Dustin Pedroia
Yahoo!の昨年の最終ランクで16位。一般的な5つのカテゴリーの全てで二塁出場可能選手の中で7位以上につけた。
4.Brandon Phillips
20本塁打/20盗塁の期待を当然のものとしてきている。07年には30本塁打/30盗塁の可能性もあるところを見せた。
5.Brian Roberts
3カテゴリー(盗塁/得点/打率)における一流選手で、二塁手としては長打力も悪くない。

Andy Behrens
1.Ian Kinsler
素晴らしい打順の先頭でプレイすることになる5カテゴリープレイヤーだ。
2.Chase Utley
臀部の手術からの復帰となるが、これからも良い報告が続いていくのなら、Kinslerをランクで上回ることになるだろう。
3.Dustin Pedroia
得点と打率における一流の貢献者で、昨年はそこにパワーとスピードも加えてみせた。
4.Brandon Phillips
すでに30本塁打/30盗塁を記録したこともある中核打者。
5.Brian Roberts
過去2シーズンで90盗塁/210得点。

Brad Evans
1.Ian Kinsler
1巡目指名となるかどうかという位置の選手で、怪我の悪魔を上手くかわすことができるとするならば25本塁打/25盗塁の候補。
2.Chase Utley
まだスイングは本調子となってきていないが、Utley本人は開幕に間に合うと主張している。
3.Dustin Pedroia
昨年の長打力の急上昇は今年は横ばいとなることだろう。打率.315/15本/70打点/100得点/15盗塁というのが現実味がある。
4.Brandon Phillips
打率の急降下は心配だが、昨年このポジションで唯一の20本塁打/20盗塁達成者だ。
5.Brian Roberts
昨年このポジションにおける盗塁数のランキングで14差を付け独走した。

Scott Pianowski
1.Ian Kinsler
昨年怪我してしまうまでは一流選手の仲間入りをした。アーリントンの手助けを受ける選手への投資は賢い選択だ。
2.Chase Utley
将来のMVP選手。これまでのところリハビリは順調。
3.Dustin Pedroia
マスコミに愛される第二のJeter。5カテゴリー全てをカバーする実力も備えている。
4.Brandon Phillips
不調の年でさえ4カテゴリーで貢献してみせた。
5.Brian Roberts
彼の契約内容は理解不能だが、盗塁・得点・打率は指名するに十分だ。

[二塁手:過小評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Dan Uggla
過去3年で平均して30本塁打/90打点/105得点を記録しているにも関わらず、75位以内で指名されないことが多い。
2.Ian Steward
レギュラーの座を確保することが出来るとすれば、彼の長打力は二塁手には稀なものだ。
3.Jose Lopez
昨年シーズン終了時のランクで二塁手で7位につけていたこの選手は、今年のドラフトでは二塁手全体で14位で指名されている。
4.Kazuo Matsui
メッツを出て以降の232試合で打率.297/12本塁打/89打点/60盗塁/164得点。
5.Mike Fontenot
250打席以上を記録した二塁手の中でFontenotのOPS.909より上を記録したのはUtleyしかいない。

Andy Behrens
1.Howie Kendrick
怪我によって実力を発揮する機会を奪われているが、まだ25歳の選手で通産打率は.306だ。
2.Mike Aviles
十分な長打力とスピードを持ち、打率.325を打った。だが彼のADPは162.3だ。
3.Jose Lopez
24歳を迎えたシーズンを静かに二塁手全体で7位となる成績で終えた。
4.Skip Schumaker
セント・ルイスの外野は人が溢れているので、Schumakerは二塁に固定されることとなる。
5.Placido Polanco
過去3シーズンの平均で打率.316を記録してきており、MagglioとCabreraの前を打つことになる。

Brad Evans
1.Mike Fontenot
Aaron Milesとのポジション争いをすることになるが、400~450打席を記録できれば打率.285で15~20本塁打を打てる選手。
2.Akinori Iwamura
得点での貢献が見過ごされている。昨年の91得点は二塁手で7位だった。
3.Mark DeRosa
新たなチームでは少し成績を下げるだろうが、昨季カブスでは打率.285/21本塁打/87打点/103得点。
4.Jose Lopez
あまり表立って話題になることはない選手だが、今季20本塁打/100打点/80得点を記録できるかもしれない隠れた成長株。
5.Mike Aviles
Avilesはドラフト150位以降で指名できる隠れたマルチカテゴリー&マルチポジションプレイヤーの宝石だ。

Scott Pianowski
1.Jose Lopez
昨年の彼のセイフコでの成績は驚異的だった。
2.Rickie Weeks
今回で最後となるが、ダブルアップに挑戦する。四球と得点数が打率の低さを相殺してくれる。
3.Aaron Hill
一年前の今頃は皆彼を大好きだったということを忘れてはならない。
4.Alexei Casilla
二年前はベース上で活き活きとしていた。もしかしたらまたそういう姿を見ることになるかもしれない。
5.Felipe Lopez
全部ワシントンのせいにしよう。アリゾナではトップバッターとなる道筋が付いている。

[二塁手:過大評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Rickie Weeks
過去4シーズンで3回打率.240を下回る成績を残せば、可能性という言葉も滲んでくる。
2.Howie Kendrick
長打力と健康状態が改善の兆しを見せるまでは、Behrensに指名権を渡しておくこととする。
3.Dustin Pedroia
昨年の全体ランク16位となった成績を維持することは難しいはずなのに、今年のADP22位というのは、確実に昨年と同様の成績を残さないとならない位置にある。
4.Chone Figgins
過去231試合で打率.303/4本塁打/75盗塁/80打点/153得点。先ほど挙げた松井の成績と比較してみよう。
5.Akinori Iwamura

Andy Behrens
1.Rickie Weeks
打率.234の打者を連れていくのは難しい。
2.Alexei Ramirez
Alexeiのことは好きだが、Lopezより116位の前に指名するほどではない。
3.Mark DeRosa
先ほどは褒めたが、彼はやはり34歳の選手で、今年はキャリア最高の年の翌年となる。
4.Felipe Lopez
昨年は盗塁数が大幅に減少し、今季はセント・ルイスでの成績は維持不可能だ。
5.Davey Lopes
こいつが1980年と81年にオールスターに選ばれたのはおかしいだろう。

Brad Evans
1.Dan Uggla
増加傾向にある三振数、低下しているコンタクト率、フライの多い選手。30本塁打と頭痛がしてくるような打率を残す。
2.Robinson Cano
気候が暖かくなるにつれて体も温まってくるが、誰が上位100位以内の指名枠をシーズンの半分のために使いたいと思うだろうか。
3.Howie Kendrick
BehrensはKendrickに夢を抱きすぎている。打率は凄いが、パワーとスピードに欠ける。彼は値段だけ高いPolancoだ。
4.Brandon Phillips
1ポジションしかプレイできなくなり、打率の下がったバージョンのAlexei Ramirez。Ramirezよりも18位高く指名されている。
5.Kazuo Matsui
怪我の可能性は非常にやっかいだ。およそ120試合で20盗塁と標準より少しだけ良い打率の選手。

Scott Pianowski
1.Placido Polanco
パワーとスピードに欠ける選手は、このポジションでは通用しない。
2.Ian Stewart
彼の守備能力とClint Hurdle監督の存在は、あなたの気を狂わせることだろう。
3.Akinori Iwamura
一番打者を任される理由はどこにもない。まだ投手を読むことができていない。
4.Howie Kendrick
健康体でいることに苦戦してきている。パワーはまだ入荷待ち状態だ。
5.Alexei Ramirez
打ってから考えようというメンタリティ、雑な走塁、期待値込みのADP。僕はパスする。

[二塁手:過小評価上位5選手]

Brandon Funston
1.Jason Donald
2.Chris Coghlan
3.Shelby Ford
4.Matt Antonelli
5.Carlos Triunfel

Andy Behrens
1.Gordon Beckham
2.Carlos Triunfel
3.Adrian Cardenas
4.Eric Young Jr.
5.Nick Noonan

Brad Evans
1.Eric Young Jr.
2.Gordon Beckham
3.Jason Donald
4.Brent Lillibridge
5.Travis Denker

Scott Pianowski
1.Carlos Triunfel
2.Chris Nelson
3.Adrian Cardenas
4.Matt Antonelli
5.Linus Van Pelt

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